トークンについて(1) Fungible Token

NFT(Non-Fungible Token)の流行が終わる前に、FT(Fungible Token)から着手しておきたい。

定義

トークンの元々の単語の意味は、「しるし」や「代用貨幣」を表すもので、例えばカジノチップや、商品券などがトークンの例として挙げられる。

EthereumにおけるFungible Token(代替可能トークン)の仕様を定義した文書であるERC-20では、トークンは、「事実上、Ethereumの全てを表現することが可能」とされており、以下を例として挙げている。 - オンラインプラットフォームのポイント - ゲームのキャラクター能力 - くじのチケット - 会社の株のような金融資産 - USDのような伝統的な通貨 - 1オンスの金 - などなど。。

Fungible Token(代替可能トークン)

Fungible Token(代替可能トークン)とは数量さえ等しければ互いに交換可能なトークンを指す。これは実際の通貨をイメージしてもらうとわかりやすいが、100円玉1枚と1円玉100枚は、価値としては同じ100円を表している。このように、個別の「1枚の100円玉」に価値を見出さない場合に、「代替可能」という言葉が使われる。

ERC-20に準拠しているトークンは、以下の処理を共通のAPIとして公開することが求められる。 - トークンをあるアカウントから別のアカウントに送る - アカウントのトークン残高を確認する - ネットワークに流通しているトークンの供給量を確認する - ある量のトークンがサードパーティのアカウントによって支払われることを許可する

上記メソッドに基づく実装を行うことで、MetaMaskなどのウォレットがそのトークンのために特殊な実装を行うことなく連携することが可能となる。

Ethereumとトークンの関係

トークンの発行は誰でも簡単にでき、発行した時点でEthereumブロックチェーンに保存される。これがトークンが盗難、複製されないことを保証しているが、一方で、ネットワーク利用コストとしてガス代をEthereumで払う必要がある。Ethereumを直接やり取りするトランザクションと比較して、ERC-20に準拠したトークンを送付する場合には、より多くのガス代が必要になる。これは、ERC-20トークンのほうが処理が複雑なためである。

所感

ERC-20に準拠して作成すると、信頼性の高いトークンが簡単に作れる一方で、その価値はEthereumとは切り離されている。なので、信頼される通貨を新たに作ることは簡単ではなさそう。

参考文献