何か×ブロックチェーン その2

前回の続き。FilecoinやThetaといった、マイニングを単純なハッシュ計算でなく、その計算などに対して付加価値をつけるものがいくつかある。 現状Bitcoinのマイニングの電力問題が大きくなってきている点から、今後の一つの方向性としてあり得るかなと思った。

Chiliz - スポーツ×ブロックチェーン

Chilizブロックチェーンは「スポーツ・ファンエンゲージメント・プラットフォーム」であるSocio.comでの取引に利用される通貨である。 これは、各スポーツチームが独自のトークンを発行することを可能にしており、またそれぞれのトークン同士の取引をChilizという通貨で可能にしている。これにより、チームがファンに新しいエンターテイメントを届けることができるとしている。

Filecoin - データ管理×ブロックチェーン

Filecoinブロックチェーンでは、マイナーは計算を行うだけでなく、自身のデバイスのストレージを貸し出すことで報酬を得ることができる。 これは単純に貸し出すだけでなく、定期的にストレージにアクセス可能なこと、また特定のリクエストに応じてストレージの情報を提供できる状態を維持することが必要となる。 これにより、データを保持するメリットと、ストレージに対する価格競争が生まれるとしている。

Theta - ビデオストリーミング×ブロックチェーン

上記Filecoinがストレージの貸し出しをマイニング報酬にしていたのに対し、Thetaでは、ビデオストリーミングのためのネットワーク帯域や計算能力を貸し出すことで報酬を得ることが可能である。 これまではYoutubeNetflixのような、大規模なプラットフォームを持つ組織だけがストリーミングサイトを運用することができたが、Thetaブロックチェーンを使うことで、配信コストを低減することが可能であると指定rう。

Monero - 匿名性×ブロックチェーン

Moneroは、送受信者ともに匿名性を確保できるリング署名を用い、トランザクションの匿名性を保証できる仕組みを提供している。 これにより、検閲の不安のない支払の仕組みを構築可能であるとしているが、一方でこの仕組みから、取引所では扱っていないとともに、違法取引に使われている現状もある。

何か×ブロックチェーン

Ethereumは何でも扱えるブロックチェーンとして、かなり強固な基盤を持っているが、特定の領域に特化したブロックチェーンや、その中で流通するトークンが存在する。 今回は、BitcoinやEthereumの代替ではなく、特定用途に特化したプラットフォームを紹介する。

IOTA - IoT×ブロックチェーン

フリクトレスなデータと価値の転送を目指している。 IoTに特化した機能として、データの書き換え防止や、低リソースでのトランザクション実行がある。 また、トランザクションコスト0を謳っている。

VeChain - サプライチェーン×ブロックチェーン

「現実世界の経済問題を解決するエコシステム」を掲げており、ビジネス領域で PoA(Proof of Authority)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを用いていて、VeChainを開発する財団が認めるMasternodeがブロックを作成可能である。

Enjin - ゲーム×ブロックチェーン

元々は、デジタルアセットを管理するためのNFT運用のためのプラットフォームである。 そのトークンであるEnjin coinはEthereumブロックチェーン上で取引されるコインであり、NFTの取引や、Enjinプラットフォーム上で動作するブロックチェーンゲームでの取引に用いられる。 Enjinは、ブロックチェーンそのものよりも、それを開発者が扱いやすくするためのAPI統合開発環境を提供することを重視している。

草コイン?その2

前回と同じく、Coinmarketcapから、時価総額が高い順に、これまで話題に出してこなかった通貨を順番に概要紹介する。

Binance coin

時価総額 3位(2021/12/05現在)

世界最大の仮想通貨取引所の一つであるBinanceが、独自ネットワークで発行している通貨。 用途として、Binanceにおける取引手数料やBinance上でのDEXに用いられる。

USDT (Tether)

時価総額 4位

米ドルと同じ価値を持つように設計されている仮想通貨で、その価値はテザー社によって担保されている。 Ethereumブロックチェーン上で管理されている。

Solana

時価総額 5位

高速で安価な取引と、分散アプリケーション開発の機能強化を目的として設計された仮想通貨で、独自のネットワークを構築することでコンセンサスアルゴリズムの効率を改善している。 (これについては別の記事で触れたいと思っている)

Cardano Ada

時価総額 6位

Proof of Stakeを使い、「最も環境的に持続可能なブロックチェーンプロトコル」としている。 Cardanoは独自のブロックチェーンの名称および開発を行っている財団名で、そこで私用されるトークンがADAである。

USDC

時価総額 7位

USDTと同様に、米ドルと同じ活を持つように設計されており、実際に流通している通貨はすべて米ドルでペッグされている。 価値の保証として、米ドル準備高が実際に流通しているトークンと同じ量であることを大手会計事務所が大手会計事務所が検証している。

Polkadot

時価総額9位(DOT)

仮想通貨だけでなくデータやその他デジタルアセットの異なるブロックチェーンをまたいだ転送を行うために開発されたものがPolkadotプロトコルである。 その中でネットワークガバナンスを達成することを目的として発行されている通貨がDOTになる。

Terra

時価総額10位

ブロックチェーンプロトコルの一つで、現実の通貨とステーブルコインを用いて、グローバルな決済システムを運用している。 ステーブルコインとは、USDTのような、価値が現実通貨と一致するように設計されているコインのことである。

草コインについて

草コインの定義を調べたが、「時価総額の低い仮想通貨のこと」であり、あまり明確な定義はない。 ある意味では、あらゆる仮想通貨は生まれたタイミングでは草コインであり、価値が上がることで草でなくなる可能性を持っていると言える。 なので、ここでは草コイン(中にはそう呼べないものもあるが)の中で、人気があったり技術的に興味深いものがあるものを取り上げようと思う。

記事内の時価総額順位は次のサイトを参考にしている:https://coinmarketcap.com/

Dogecoin

時価総額10位(2021/12/03現在)

言わずもがな有名な草コインの草分け(?) 技術的には、ハッシュ関数を使ったPoWで、ビットコインと本質的には同じである。 コードはオープンソースで、Litecoinからフォークされている。 異なる点は、ビットコインがマイニング可能な総量に上限があるのに対し、Dogecoinは上限なく毎年50億枚ずつ発行される点が挙げられる。

SHIBA INU

時価総額 13位(2021/12/03現在) 上記Dogecoinに対抗して作られたコインで、コミュニティによるゼロからの仮想通貨運営を目指している。 Ethereumネットワーク上のトークンとして設定され、スワップやステーキングなど、ジョークとして作られたとは思えないほど、しっかりとしたシステムが構築されている。 正直に言うとDogecoinよりも素性がだいぶはっきりしている点で、長期的に見ればより多く流通しそうに見える。 これは、EthereumがBitcoinに対して時価総額が追い付いて来ている点もポジティブな理由として挙げられる。

ステーキング(Staking)とPoS(Proof of Stake)について

どうも技術的に怪しいように見えるから、後で再訪します。

定義

PoS(Proof of Stake)とは、コンセンサスアルゴリズムの一つであり、仮想通貨の持ち分に応じて承認の役割を割り当てるものである。 これは、ランダムで投票権が割り当てられる信任投票のようなイメージを持っているとよい。 ステーキングとは、持っている仮想通貨をコンセンサスアルゴリズムの投票に割り当てることで、これを行うことにより、報酬が自動的に付与される。 投票権を得る確率は仮想通貨の金額によって決まるもののほかに、仮想通貨の保有期間によって決まるものがある。

この仕組みは、Bitcoinの承認プロセス(Proof of work)の抱える問題を解決するために実装された。それは、計算力による51%攻撃や、環境への負担を回避することである。 一方で、PoSの仕組みにより、持っている仮想通貨が多かったり、あるいは保有し続けることがメリットになる仕組みを提供しているので、通貨の流動性が高まらずに取引が効率よく行われない問題が存在する。

発展

Smart contractが存在する通貨であれば、マイニングの合意アルゴリズムを変更することで、任意の承認システムが構築可能である。 ・プルーフ・オブ・コンセンサス(Proof of Consensus):企業を含む8割のノードに要承認が必要(XRP) ・プルーフ・オブ・インポータンス(Proof of Importance):一定期間内の取引量を承認する権限の計算に使用(XEM)

DeFi

DeFi (Decentralized Finance)について、大枠をざっくり勉強。

定義

主にEthereumブロックチェーン上に構築された、中央集権による管理者の存在しない金融システムをDeFiと呼ぶ。 これまでのすべての取引には、銀行や保険、などの金融機関が仲介して行ってきた。そのため、金融機関や政府などに介入を受け、取引が停止されたりトラッキングされるリスクがあった。 それに対し、ブロックチェーンでは、分散されたシステムに取引が管理されるので、仲介業者の入る余地がなくなる。その代わりに、スマートコントラクトが取引の正当性を担保する。

DEX (Decentralized Exchange)

DEXとは、これまでの中央集権型取引所(CEX:Centralized Exchange)に対立する概念として生み出されたもので、ユーザー同士が仲介業者なく仮想通貨を取引できるものである。 利点としては、上記DeFiに従っているので、特定の取引所の破綻などの影響を受けずにユーザーが取引可能である。 欠点としては、スマートコントラクトのバグを突かれて資産を失う可能性がある。

イールドファーミング(Yield Farming)と流動性マイニング(Liquidity Mining)

伝統的なCEXでは、利用者が融資を受ける際に、金融機関は別の利用者が預け入れていた資産を割り当てていた。 この時に、金融機関が金利を決定している。 DEXでは、この手続きをスマートコントラクトで自動化し、管理者なしで融資を行うことが可能である。

また、単一通貨だけでなく、複数の仮想通貨間の取引においては、流動性マイニングが重要になる。 貸付を行う際に、取引所にプールされた通貨が少ない場合には、その価値は大きく変動する。 そのために、ユーザーが通貨をプールするインセンティブトークンの形で提供している。 このトークンが付与される仕組みを流動性マイニングと呼んでいる。 このインセンティブは年間の金利として数100%を超えることもあり、人気が高騰している。

雑感

色々使ってみてはいるものの、現状では取引に必要なガス代がネックとなるパターンが結構多い。 クレジットカードなどの既存の中央集権取引所を通じたやり取りになれていると、毎回の取引にコストがかかるというのが地味に痛い。 引用した記事では、取引手数料の削減がメリットとは言われているが、通貨の高騰やトランザクション数の増加によって、メリットは小さくなる可能性がある。 この意味では、大きなお金を一度に動かすほうが、細かい取引を繰り返すよりメリットが得られる点は難点だと考えられる。 (トランザクション数応じてコストがかかるので、取引金額の多寡は手数料に影響ない)

トークンについて(2) Non-Fungible Token(NFT)

昨日FTを勉強したので、今日はNFTのお勉強

定義

NFTは代替不能トークンと呼ばれ、それぞれのトークンが替えの効かないものであることを示している。

ERC721

ERC721はNFTの標準規格であり、それぞれ固有のトークンIDを持つ。dApp(分散アプリケーション)はこのトークンIDを使うことでイメージを出力することが可能である。

ERC721に従うトークンをやり取りでは、ERC20と異なり特定のトークンをやり取りするすることが可能である。

参考:https://ethereum.org/ja/developers/docs/standards/tokens/erc-721/

ERC1155

マルチトークンスタンダードとも呼ばれ、複数種類のトークンや通貨を一つのトランザクションでまとめてやり取りすることが可能なものになる。また、同様に、一つのトランザクションで複数の宛先のユーザーにトークンを送ることも可能である。これの最も大きなメリットは、ガス代の節約であり、大規模なアプリケーションにおけるメリットは大きくなると考えられる。

技術的には、バッチ転送、バッチ承認、受取フックの処理の関数を実装することが必要で、見る限り実装コストは大きくなるように感じられる。

参考:https://ethereum.org/ja/developers/docs/standards/tokens/erc-1155/